こぶとりじいさんの「こぶ」を歯科病理学的に解説

こぶとりじいさんという昔話を聞いたことが有るでしょうか。

歴史は古く、鎌倉時代の宇治拾遺物語にも載っているらしい日本に住む私達なら知っておきたい昔話です。

「小太りじいさん」じゃないですよw

「こぶ」を「取る」じいさんの話です。

それを病理学的に説明してみようと思います

こぶとりじいさんのあらすじ

こぶとりじいさんは、全国各地に似たような話があり、

ストーリーの亜型が実は色々有るらしいですが、いちばん有名なのはこんな感じ

です。

昔々、正直者のじいさんと嘘つきのじいさんがいて、それぞれ頬部にこぶ(つまり腫瘤)が有るんですね。

ある日、正直者のじいさんが歩いていると鬼の宴会に出くわしてしまいます。

ですが、鬼は正直者のじいさんを気に入ったので「こぶ」(=腫瘤)を(外科的に)切除してあげることにしました。

その話を(EPARKSとかの歯科評判サイトで)聞いた嘘つきのじいさんは鬼のところに行き、「こぶ」(=腫瘤)を取ってほしいと懇願しました(=受診しました)。

ですが、鬼は嘘つきのじいさんを気に入らず、正直者のじいさんのこぶ(=腫瘤)を嘘つきのじいさんのこぶ(=腫瘤)がない方の頬部にくっつけて(=移植して)しまいました。

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……ん、多少アレンジがされています?まぁ次に行きましょう。

こぶの正体は?

結論からいうと「多形腺腫」であると言われています。

多形腺腫は良性の腫瘍で頬に多発する腫瘍で放置すると結構でかくなりますが、良性であるうちは命の危険性はほとんどありません。

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ネットで見つけた一応著作権のない多形腺腫っぽい画像

多形腺腫とは?

多形腺腫は腺管構造を示す導管上皮細胞と筋上皮細胞・基底細胞由来の粘液腫様あるいは軟骨腫様の間質成分の2層性の増殖パターンを示す唾液腺の良性腫瘍である。

真の混合腫瘍ではなく、上皮性の腫瘍で腫瘍内の間葉成分は、腫瘍性筋上皮に由来する。

平滑筋細胞や線維芽細胞にも似た性格を持つ筋上皮細胞は、腫瘍化によって結合組織性粘液や軟骨様の組織を形成する。

好発:耳下腺、小唾液腺(特に口蓋)、顎下腺

臨床所見:発育緩慢(ゆっくり育つ)、無痛性腫瘤(痛くない)

病理:正常部と線維性被膜で分かれている。

形質細胞様細胞、粘液細胞、軟骨腫様、硝子化が見られる。

被膜内浸潤がある→被膜が残ると再発するので扁平上皮癌みたいに多めに切り取る。粘液性の間質が手術の不手際で血管内に入ると再発する。

長年の経過で癌化する確率が高い→多形腺腫内癌腫(多形腺腫由来癌)

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wikiにあった病理組織像 この様に色々な形が見られるのが特徴

「多形」腺腫だからね!

written by 春巻