大腸菌について解説(微生物学)

大腸菌の大まかな特徴

大腸菌は通性嫌気性のグラム陰性(つまりグラム染色では赤ですね。)の桿菌です。

学名はEscherichia Coliです。

構造物としては、鞭毛と線毛を持っているのが特徴です。

なので、イラストに表すと以下のようになりますね。

大腸菌の構造

細胞壁にO抗原、鞭毛にH抗原を持っています。(意外とここが試験のヤマであることが多いみたいです。)

いろいろなサブタイプ(下位の種類)があり、それぞれに特徴が違います。

大腸菌の感染症の分類

大腸菌による感染症を大きく大別すると、非腸管系大腸菌感染症と腸管系大腸菌感染症に分かれます。それぞれに説明していきます。

非腸管系大腸菌感染症

非腸管系大腸菌感染症は尿路の感染症です。

尿路病原性大腸菌 UPEC (Uropathogenic Escherichia Coli)が引き起こします。

腸管系大腸菌感染症

腸管系大腸菌感染症はその名の通り腸管の感染症です。

下痢原性大腸菌((広義の)腸管病原性大腸菌)引き起こします。

菌には具体的には以下の7種類があります。

EPEC Enteropathogenic Escherichia coli ((狭義の)腸管病原性大腸菌)

ETEC Enterotoxigenic Escherichia coli (毒素原性大腸菌)

EIEC Enteroinvasive Escherichia coli (腸管侵入性大腸菌)

EHEC Enterohemorrhagic Escherichia coli (腸管出血性大腸菌)

EAEC Enteroaggregative Escherichia coli (腸管凝集付着性大腸菌)

DAEC Diffusely adherent Escherichia coli (均一付着性大腸菌)

AIEC Adherent invasive Escherichia coli

この中でも重要なEPEC(腸管病原性大腸菌、狭義)とEHEC(腸管出血性大腸菌)を取り上げて解説してみましょう。

EPEC (腸管病原性大腸菌、狭義)

EPECは菌は細胞には侵入しません。菌が集まって腸上皮に付着するのが特徴です。(付着凝集性、局在接着)

下痢は茶色のものが見られます。

EHEC(腸管出血性大腸菌)

EHECは赤痢菌の志賀毒素と同様の毒素、Vero Toxin(ベロ毒素)を出して、出血を起こすので血便が出るのが最大の特徴です。

よって下痢はEPECは茶色のものがでますが、EHECは赤いのです。

溶血性尿毒症症候群、通称HUS(Hemolytic Uremic Syndrome)や、脳症を発症すると回復が数ヶ月~から数年におよんでしまいます。

AIECとクローン病

AIEC(Adherent invasive Escherichia coli)は腸管の肉芽腫を特徴とする原因不明の難病、クローン病の関連が研究段階ですが示唆されています。

この分野を研究してみるのも面白いのかもしれませんね。