局所麻酔薬と薬物相互作用(歯科麻酔学)

今回は、リドカイン等の局所麻酔薬と薬物相互作用について書いていきます。

春巻春巻

薬物相互作用とはわかり易い言葉で言うと、「飲み合わせ」のこと。局所麻酔薬は飲み薬ではないから正確には飲み合わせではないかもしれないけど、他の薬を飲んでいる人に局所麻酔薬を使うと思わぬ副作用が起きることが分かっているから淡々と書いていきますよ。

β遮断薬

プロプラノロールなどのβ遮断薬を使っている患者さんでは局所麻酔薬中の血管収縮薬アドレナリンの作用によるα作用が増強します。

α作用が増強するということは、血管が収縮し、末梢抵抗が増強するため、血圧が上昇する副作用が生まれます。

三環系抗うつ薬, MAO阻害薬

アミトリプチリン、イミプラミンなどの三環系抗うつ薬やMAO阻害薬は受容体近くでのカテコールアミン濃度を増強させる作用が有るため、アドレナリンの作用を増強させます。

つまり、三環系抗うつ薬やMAO阻害薬を使用している患者さんに局所麻酔薬を投与すると、β遮断薬を併用しているときと同じく、血管が収縮し血圧が上昇します。

α遮断薬, 抗精神病薬

α遮断薬や統合失調症の治療薬(抗精神病薬)であるハロペリドールを服用している患者さんではα作用を阻害しているため、アドレナリンによりβ作用が優位になり、末梢抵抗が減少し、血圧が過度に低下する可能性があります。

その他の薬との相互作用

医歯薬出版の教科書には以下のようなことが書かれています。余裕があれば覚えましょう。

  • 分娩促進薬、麦角アルカロイドとの併用→血圧上昇
  • クラスIII抗不整脈薬→心機能抑制
  • ハロゲン含有吸入麻酔薬(ハロタンなど)→不整脈、心停止

まとめ

ここまでのまとめ

β遮断薬(プロプラノロール)、三環系抗うつ薬(アミトリプチリン)、MAO阻害薬、分娩促進薬、麦角アルカロイドとの併用 → 血圧上昇

α遮断薬、抗精神病薬(ハロペリドール)→ 血圧低下

クラスIII抗不整脈薬 → 心機能抑制

ハロゲン含有吸入麻酔薬(ハロタン)→不整脈、心停止