局部床義歯の咬合採得の3つのステージ

咬合採得の目的、咬合採得の3つのステージ

咬合採得の目的とは 生体の情報と咬合器の情報を一致させること。

咬合採得は3つのステージに分かれる。

簡単に書くと1、フェイスボウトランスファー 2、チェックバイト 3、チェックバイト法(半調節性咬合器の場合)に分かれるのである。これから一つずつ説明していきますね。 

咬合採得の第1ステージ

第一ステージはフェイスボウトランスファーです。

フェイスボウトランスファーの定義:頭蓋、顎関節に対する上顎歯列の三次元位置関係の記録

フェイスボウ(顔弓)をつかってフェイスボウトランスファーをする。

フェイスボウトランスファーをすることによって上顎の模型は咬合器にマウントできます。

  • 前方基準点

眼窩下点 参考)フランクフルト平面

鼻翼下縁 参考)カンペル平面

その2つの中央付近

  • 後方基準点

平均的顆頭点

定義1 耳珠上縁と外眼角を結んだ線上で耳珠上縁から13mm前方の点

定義2 外耳道上縁と外眼角を結んだ線上で外耳道上縁から12mm前方で5mm下方の点

○全運動軸点

矢状面内すべての科学運動に対して上下的な運動幅が最小となる左右顆頭点を結ぶ軸

○蝶番軸

下顎が純粋に回転運動のみを行った際の回転中心

 

咬合採得の第2ステージ

第二ステージはチェックバイトです。このあとでてくるチェックバイト法とは少し違うので注意!

チェックバイトは上下歯列間の咬頭嵌合位における位置関係の記録をします。

位置関係の記録のことをインターオクルーザルレコード (直訳したら 相互的なinter咬合面のocclusal記録record)といいます。

このインターオクルーザルレコードを使って、上顎模型に合わせて下顎模型を咬合器に装着します。

○上下歯列間の咬頭嵌合位における位置関係の記録をする材料5つ

  • パラフィンワックス 凝固時の収縮が大きく変形しやすい
  • シリコーン咬合記録材 アンダーカットに入る、鋭利な部分はトリミングして使う
  • 印象用石膏
  • 酸化亜鉛ユージノールペースト
  • ポリエーテルラバー (下3つは今あまり使わない)

 

そして、

上下歯列間の咬頭嵌合位における位置関係の記録は残存する咬合支持によって記録方法が異なる。(詳しくは後述)

○残存歯列により咬頭嵌合位が維持されている場合

  • 何も介在させない
  • シリコーン咬合記録材
  • 印象用石膏

 

○残存歯列により咬頭嵌合位が一応決まるが不安定な場合

  • シリコーン咬合記録材
  • 印象用石膏

 

○残存歯列により適正な咬頭嵌合位が維持されていない場合

  • 咬合床(基礎床 トレーレジン  蝋堤 パラフィンワックス か 酸化亜鉛ユージノールペースト)

→総義歯と同じような咬合採得を行います。

(参考:総義歯の咬合採得)リップサポートを決めて→上顎の仮想咬合平面を決めて→下顎の咬合堤の高さを決定して→垂直的顎間関係を決めて→水平的顎間関係を決めます。

狭義の咬合採得はこの第二ステージ(模型上での咬頭嵌合位の再現を目的とした、上下歯列の三次元的位置関係の記録)の事を言う。

前歯義歯では、人工歯の唇舌的配列位置の決定の副次的な目的であるリップサポート(口元のふくらみ)を決定する。

咬合採得の第3ステージ

半調節性咬合器では チェックバイト法

全調節性咬合器では パントグラフ法(ただし、全調節性咬合器はほとんど臨床の現場で使うことはない。)

○チェックバイト法

前方の咬合位の記録(前方チェックバイト)

矢状顆路角の調整 (咬頭嵌合位から4~5mm前方の位置、切端咬合付近)

 

左右側方咬合位の記録(側方チェックバイト)

平衡側顆路(矢状顆路角、側方顆路角)の調整(咬頭嵌合位から4~5mm側方の位置、犬歯尖頭位付近)

 

→矢状顆路角は前方チェックバイトと側方チェックバイトの2つで得られる。

側方チェックバイトで得られた値(矢状側方顆路傾斜角) > 前方チェックバイトで得られた値(矢状顆路前方顆路傾斜角

この矢状顆路角の差をフィッシャー角という。

補綴物を制作する時は小さい値を使ったほうが咬頭干渉を起こしにくいので、矢状前方顆路傾斜角を計測する。