全部床義歯における咬合採得の手順(その2)

この記事では全部床義歯の咬合採得について解説していきます。

その1はこちらから https://stomatology.work/entry/2019/06/05/234452

前回の記事で全部床義歯での咬合採得は

  • 咬合床の作成(ラボサイド)
  • リップサポートの決定、仮想咬合平面の決定
  • 垂直的顎間関係の決定
  • 水平的顎間関係の決定
  • 咬合採得の不正の点検
  • 咬合堤への標示線の記入
  • 人工歯の選択

この順番でやっていきますと書きました。

この記事では垂直的顎間関係の決定~咬合堤への標示線の記入について書いていきます。

垂直的顎間関係の決定

形態学的決定法

顔面計測

Willis法 瞳孔中央~口裂間距離=鼻下点~オトガイ間距離

Bruno法 鼻下点~オトガイ間距離=手掌の幅

Seers法 上唇小帯~下唇小帯=40mm

有歯時の記録を使う方法

→上下唇小帯に入墨を入れる、鼻下点オトガイ間距離の記録、顔面の石膏模型、側貌の記録、側貌X線写真

生理学的・機能的な決定法

  1. 下顎安静位を利用する方法
  2. 発音を利用する方法
  3. 嚥下を利用する方法
  4. 咬合力を利用する方法
  5. 患者の感覚を利用する方法
  6. 筋電図を利用する方法
  7. 電気的刺激法

水平的顎間関係の決定

  1. 下顎を直接的に誘導させる方法
  2. 条件をつけて下顎を後退させる方法
    • 頭部後傾法
    • Walkhoffの小球利用法 ワックスの小球を上顎床後縁中央につけ、舌尖で触れさせながら閉口させる。
  • 臼歯部のみで咬合させる方法
  • 嚥下運動利用法
  • 筋疲労法
  1. 下顎運動路から求める方法(ゴシックアーチ描記法)
  2. Tapping運動から求める方法
  3. 電気的刺激法

咬合採得の不正の点検

  • Greenの側頭筋把握法
  • Gysiの咬筋把握法
  • 外聴道での下顎頭触診法
  • 反復咬合
  • 転覆試験

 標示線の記入

正中線

上唇線

口角線

下唇線  これらの線は人工歯の選択と排列のために行われる。

口角線(犬歯の遠心を通るとされる。)鼻翼幅径(犬歯の尖頭を通るとされる。)は前歯部の人工歯の幅径を決めることが出来る。